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笑顔の人

資産運用の方法として金融商品を購入し、分配金(あるいは配当金)を得たり、売買による利益を出すことがあります。
投資信託は初心者向けの金融商品と言われ、証券会社や銀行が積極的に広告を打ち出しています。
分配金利回りの高さを見て驚く人も多いでしょう。
銀行預金の利率がほぼゼロに等しい中で年利10%以上の数字が並んでいるのですから。
しかしその分配金利回りにはちょっとした事情があります。それを踏まえた上で本当に得であるかを考えてみましょう。

投資信託の上手なやり方とは

投資信託とは、証券会社や投資会社がファンドを作り、ファンドを証券化して資金を集め、それを元手にファンドマネージャーが運用を行うものです。
資金の合計額を一万口当たりの価格で表したもの(評価額)が運用成績によって上下します。
もちろん評価額が上がれば分配金とは別で利益が出ます。

投資信託には非常に多くの種類があり、それぞれに投資対象としているものが異なります。
国内株式、海外株式、海外債券、海外リートなど様々で、単一の投資対象で投資を行わず、複数を組み合わせて運用を行っているファンドもあります。
少ない資金で多くの投資対象に投資ができます。

投資信託は個人が購入しにくい投資対象に投資を行えるのも大きな魅力です。
例えば、アメリカ株や中国株は簡単に個人が株を買えますが、その他の国については通貨こそ買えるものの、企業に直接投資をすることは大きなコストと手間がかかります。
そもそもどのような企業が有力なのかや、決算情報など、入ってくる情報量も少な過ぎます。
しかし投資信託は企業の力がありますので、投資をするのに十分な体制が整っています。
間接的にではありますが、発展が著しいと言われるインドや東南アジア、アフリカにも少ない初期投資で簡単に投資ができるのです。

分配金の種類について

また、分配金についても様々な種類があります。
毎月分配、半年分配、年一回、ひいては全く分配を出さないファンドもあります。
一番人気は毎月分配型ですが、証券会社などが積極的に営業活動を行うことで作った結果と言えなくもありません。
但し、投資をする人が多いことからファンドそのものの規模が大きく、安定している(不意な運用終了に陥る可能性が少ない)というのは間違いないでしょう。

分配金は貰ったお金でそのままその投資信託を購入するタイプと、お金で証券口座に振り込まれるものとがあります。
そのまま投資信託を購入するときは購入手数料がかからず、非常にお得に購入することができます。
しかも保有している口数が増えますから、毎月少しずつ分配金が増えていくことになります。
その裏返しとして評価額が下がった時の損失も大きくなりますが、安定的に利益を増やしていくことを考えるなら、再投資を行う方が良いでしょう。
増えた口数はあくまでも分配金として得たお金ですから、仮に損失が大きくなってもダメージは少ないはずです。

分配金を手にしつつ評価額が上昇してきたら再投資分だけでも売却する、これを繰り返すことがローリスクでより多くの利益をあげる戦略となるでしょう。

投資信託のメリットデメリットについて

投資信託にはいくつかのメリット・デメリットがあります。
メリットの一つにNISAが使えることがあります。
NISAは枠が120万円に拡大されましたが、個人の投資意欲を高めるためにiDeCoと並んで国が利用を進めるものになっています。

NISAを使えば毎月の分配金、売却時の利益について税金がかかりません。
現在、税率は20%となっており、利用できることで投資のパフォーマンスに大きな差が出るでしょう。
そもそもNISAは時間経過ではなく売買高で枠が消費されることから、投資信託を購入し、そのまま保有しておくのに適した制度なのです。

あとはやはり分散投資が可能になる点です。
投資信託は最低購入金額が一万円からに設定されており、少ない資金でも複数のファンドに分けて投資ができます。
例えばコモディティのファンドと株式のファンドを組み合わせれば、株式相場や為替とは異なる動きをしますので、投資した全てのファンドの評価額が同時に下がる可能性がかなり少なくなります。
最近の株式市場はダウが史上最高値を更新したり、日経もバブル後の最高値を更新していますが、今後数年内にその流れが変わる可能性が高く、利益が出ているものばかりに資金を集中させることは危険でしかありません。

分散と言う点においては分配金が再投資されることも魅力です。
これは結果的に毎月少しずつ投資信託を買っていくのと同じことになり、ドルコスト平均法が利用できます。
高い時は少なく、安い時は多く買うことが自然とできるのです。これはかなりのプラス寄与があるでしょう。

デメリットについては、ファンドは企業ではありませんので、いつかは運用が終了する日が来ることです。
これだけで一部の投資家からは避けられることがあるほどです。
評価額が変動するものですから、利回りが高くても絶えず利益が出ているとは限りません。
もし自分にとって都合の悪いタイミングで運用終了、払い戻しとなると、これまでの努力が無になりますし、大きな損にもなりかねません。
規模が大きいファンドであればそのデメリットは少なくなりますが、時価総額の巨大なファンドでも運用開始から20年も経過していません。
つまりそれだけ運用終了や総投資額の減少があるということなのです。
ここは注意しておきたいところです。

投資信託の利回りにかかる税金について

NISAのメリットでも少し触れましたが、投資信託の分配金利回りには税金がかかります。
少額で投資を行う人には年間120万円の投資枠は大きなものに見えますが、ある程度資金のある人にとっては少ないものです。
NISAは毎年新しく枠が追加されますが、これを全て投資信託で埋めてしまうと株式投資などに特定口座を使わざるを得なくなります。
安定的な運用には複数の投資商品を組み合わせるべきですから、NISAの枠を上手に利用する必要があります。

また評価額の上下で売り買いを行うかどうかでも大きく変わってきます。
例えば年に何回も売買をするのであれば、120万円の枠は実質的にかなり少なくなるしょう。
10万円ほどを毎月回しているだけでトータルの購入額は120万円を超えてしまいます。

手数料や税金分を考慮しても売買するだけの価値があると考えられるかがポイントになります。
それ故に初心者の方におすすめするやり方としては、あまり売買は行わず、決まったペースで新しい資金を投入していく方法になります。
投資判断に迫られるタイミングも少なく、手間のかからないやり方でもあります。

税金を軽減する方法は?

税金を軽減する工夫として、もし他の金融商品を購入しており、そちらで損失が出ている場合は損益の通算が可能になります。
つまり投資信託で売却益があっても株での損失分を課税対象から外すことができるのです。
全て利益が出ている時には使用できませんが、運用全体が不調であるときにはかなりの部分で税金がかからなくなります。

またケースとしては少ないですが、配当控除を使用するやり方もあります。
投資信託については、投資額が1000万円以下の場合は分配金にかかる配当所得の5%が控除の対象になります。
1000万円を超える分については2.5パーセントになりますが、額が大きいことから、これでもかなりの金額が節税できるでしょう。

ただしこの控除は外貨建ての資産の組み入れが75%を超えるファンドや株式の組み入れが25%以下のものには適用されません。
海外資産で運用しているファンドは対象外になります。

あくまでも利益が出た分に課税をしているのではありますが、日本全体がもっと投資に積極的になるにはさらなる税金の軽減策が必要になるのではないかと考えます。
退職金や年金を個人でも運用する時代なのですから、もっと投資で利益の出やすい制度を整えるべきではないでしょうか。